ConceptLife Style豊かな暮らしへの住まいづくり
もっと自由に、そして豊かさの本質を知る
タナカホーム代表取締役社長 田中誉宗
「なんて我慢強いんだ」―。ここ数年、日本だけでなく世界にも目を向けて様々な家づくりや暮らしを視察してきました。
その中でふと気づいたのですが、日本人は家ではなく人が“パッシブ(受身)”なんです。
暑くても、寒くても、大変でも、自分自身が我慢をして乗り切ろうとする。この忍耐強い性格が、日本人の良いところでもあり、いつまでも住環境が世界に比べて遅れている原因かもしれません。
少し外に目を向ければ、もっと快適で、もっと暮らしやすい家がたくさんあるのにそういう選択肢があるということに気づいていない人もたくさんいます。
真面目で、勤勉で、でもだからこそ、生き方がちょっと下手。それってすごくもったいないことだなと思います。
もっと自由にそして豊かさの本質を知る、日々の暮らしであってほしい。
そのために今後、家づくりに携わる私たちがどういう道しるべを示せるかがとても重要になっていくのだと感じています。
今、私たちが手掛ける現場には「家は人と生きている」というキャッチコピーを掲げています。家という器がどうあったかによって、そこで暮らすその後の生涯や、そこで生まれ育った子どもたち、孫たちの人生もきっと違うものになるからです。
それくらい、家と人は密につながっています。
西江社長が手掛ける豊かな暮らしを叶える家も、私たちが手がける快適な家も、多くの人がきっとまだ体験したことがないことがたくさんあります。
「家の有り様で、暮らしや人生ってこんなに豊かになるんだ」ということをぜひ知ってほしいです。


豊かな暮らしを育む家は、時間がうまれる家
アイトフース代表取締役 西江啓二
アイトフースではコンセプトの1つとして「家事時間 1/2以下」と掲げているのですが、こうした話をすると多くの人が「間取りを工夫して、家事動線を1/2にするということでしょう?」と誤解をします。
家事動線をいくら短く効率的にしたところで、歩数を減らすことであり家事時間を減らすことはできません。例えば家事時間を1/2以下にしたいなら、家事そのものを減らすしかありません。
そこで、洗濯や料理の効率を上げながらクオリティアップする設計設備を導入したり、清掃を考慮した家具計画やサウナを採用することで大幅に掃除を減らしたり…。ただ家という箱をつくるだけではなく、その先でどのように暮らすのかまでを見据えたご提案を行っています。家具計画だけでも、掃除の手間を格段に減らすこともできるのです。
ゆたかな暮らしへの住まいづくりとは、先ずは「時間づくり」だと考えます。時間にゆとりが生まれれば、家族と過ごす時間が増えることはもちろん、花を生けたり、庭を楽しんだりする余裕ができます。
そうした日々の小さな積み重ねこそが、人生を彩り、暮らしを豊かにしてくれます。
ところが、特に子育て世帯はとにかく毎日忙しすぎてそれどころではありません。家族のために建てたはずの家で、子どもたちの成長を見守る時間さえろくに取れずに、気づけばあっという間に成長してしまい独立してしまった、というお話も珍しくありません。
家族で一緒に暮らしていける時間は、私たちが思う以上に短く儚いものです。子どもたちの成長はその時、その一瞬しか目にすることはできません。その一番幸せで大切な時間をもっともっと味わってほしいと思います。
豊かな暮らしを育む家は、時間がうまれる家。
お金は貯蓄できても、時間は貯めることができません。
私はそう思います。